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第48章 束の間の

「…いつもそうだったら、って」
－まるで、いつもはそうじゃないみたい。
口を尖らせる華夜子に、陸は爆笑する。
「だって、いつもはそうじゃないじゃん」
すっごく悔しい－でも正直、自分でもそれは認めるところなので、ぐうの音も出ない。
でも、やっぱり悔しいので、何かひとこと言い返してやりたいのだが、こういう時に限って思い浮かんでくれない。
「…だから。こういう場所では止めてって、何度も言ってるじゃないのっ」
とりあえず、またしてもされてしまった事に対する怒りと言うか、恥ずかしさを、彼にぶつける。
どんだけ馬鹿なカップルだと思われている事だろう－ほんと、勘弁して欲しい。
自分じゃなくて、彼が－言いたいところだが、そんなの周りの人間にはどうでもいい事で。
完璧自分も、同類に見られているんだろうけども。
そうなってくると自棄になり、もうどうでもいい－思い始めたり、思わなかったり…。
「だから、ホテル行こうよって誘ってるじゃん。俺はどっちでもいいけど、またやられるよ？だって俺、まだすげーしたいもん」