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あなたの命を奪わなかった事を後悔させないでーそんな王になって
こんばんは。

 考えてみれば、ヒョルも気の毒な人ですね。
 
 実の母からも厄介者扱いされ、殺され掛けた。
 王としての器ではないがゆえに、正式な王でありながら影武者の異母弟の「影」でしか
 なかった。

 作中にも書いたように、結局のところ、どちらが本当の王であったのか、疑問です。
 どちらもが同時に光でもあり、影でもあったのでしょう。
 そして、すべての原因を作ったのは権力欲に取り付かれた大妃その人でした。
 実の母なら、息子が王として成長するように教え導くべきであるにも拘わらず、大妃は臭い物には蓋をしろ式で、実の息子を隠し偽者の出来の良い義理の息子を表に出したのです。

 身代わりの王が亡くなった後、ソファは最早、ヒョルに遠慮はしていません。
 結構、言いたいことを言っています。
 「あなたに抱かれるくらいなら、豚と交わる方がマシ」
 自分で書いておきながらの科白ですが、はやりヒョルはあまりいけ好かない男でしたので、ソファが代わりに言ってくれたときはスッとしました。

 が、よくよく考えてみると、ヒョルもまた死んだ影武者の王と同様、大妃の凄まじい権力欲の犠牲になった人ではないかなという気がします。

 また、ソファも漸く気づいたのですね。
 憎しみは憎しみしか呼ばず、復讐は何の意味もないことを。
 彼女はヒョルに告げます。
ー今、ここであなたの生命を奪わなかったことを私に後悔させないで。

 ヒョルはヒョルなりに、ソファを真剣に想っていたようです。
 今ならまだ間に合う。私の手を取ってくれ、頼む、ソファ。
 そんな彼の心の声が聞こえてくるようですが、ソファは仇の手に縋るつもりは一切ありませんでした。
 また、ソファ自身、自分が愛する男の生命を奪ってしまった罪をいやというほど自覚しています。
 自分の罪もまたヒョルや大妃への憎しみも今更、なかったことはできないと知っていました。
 だからこそ、凜として潔く散ってゆこうとしているのですね。

また、ヒョルの差し伸べた手を拒絶したことで、ソファは本当に「最後の命綱」をも自ら断ってしまったことになります。

 そんな中、ソファを母と慕う幼い燕海君は何とかソファを救おうと大妃の許に直談判に赴くのですがー。
 
[作成日]2021-04-24
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