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こんにちは。

　ヒョルは見かけよりは、利口な男だったのかもしれません。

　すべては計画的に仕組まれたことでした。
　ソファは、まんまとヒョルの残酷な罠にはまってしまったのです。

　でも、影武者の「王」とソファが互いを想う気持ちは本物でした。

　彼を誤って殺してしまったことで、気も狂わんばかりに自分を責めるソファ。そんな彼女に彼が遺した言葉は、ただ一言。
　ー自分を責める必要はない。そなたの気持ちは十分に理解している。
　と。
　それだけでした。

　その言葉で、逆にソファは最後まで誇りを失わずに生き抜こうと決意できたのですね。
　彼を殺したという罪の意識と、これから自分が辿るはずの運命、結末を想像しただけで、ともすれば我を忘れそうになります。
　でも、彼女を支え続けてくれたのは、他ならぬ彼の遺言でした。

　ところで、歴史上においても、廃妃ユン氏と夫の成宗が言い争っている最中、ユン氏が王の顔をひっかいたという記録があるそうです。
　このエピソードはどこかに入れたいなと考えていたので、本作にも取り入れてみました。

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