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エブリデイ
第5章 それは歪であるが故、何物にも代えがたく
彼女――水南木織(みずな こおり)は、知っているのだろう。僕の過去の事情を知り、その傷を知っている。その上で、今は側に居て。
だから――木織は、こんな風に言うのだった。
「別に心配しなくたって、いいと思うけれど」
「え……?」
「だって私は……貴方のことなんて、大っ嫌いなの……だから」
「……!」
その刺々しい言葉が胸に刺さり、それでいながら――僕はゾクリとして、この身を奮わせていたのだ。
「だから、安心して――好き勝手に、曝け出せば、それで、いいの」
一瞬、重なった視線。木織は蔑んだように一瞥し、直ぐに目を閉ざし――。
「くっ――!」
まるで呆れ果てたような顔つきで、僕の恥ずかしい昂りを、口の奥深くまで呑み込んでいった。
一気に波の如く、快感が押し寄せて来ている。唇の奥の、もっと熱い部分の感触を覚えて、僕は――。
「ううっ……」
激しく身を悶えながらも、不思議とホッとした安心に包まれながら。
「……っ、うわあっ!」
ドクン! 一時の躊躇が故に、尚、激しく吹き上がる初動。
「んんっ……」
それを苦しげに、それでも木織は迎えて――。
「あっ……はぁ……ああ……」
如何とも表現し難い背徳と、それを乗り越えて倍するような快楽の流れに身をさらわれたかのように――。
ビク――ビク――――ビク――――――――。
自分でも呆れるくらい、何度も何度も――吐き出し続けて、いった――。

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