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第14章 父の帰国～ベクトルが向かう先～

「そっか…」
「ハーブティーはお気に召しませんでしたか？」
「少し苦手て…ごめんなさい。」
「そうでしたか。気付かずすみません。何か飲みたいものはございますか？」
「えっと…コーヒーってありますか？」
「ございますよ？」
「いつも濃いめなの…だから…」
「かしこまりました。」

そうして煎れた黒野。香り立つものの一口飲むといつも以上に薄かった。

「いつもよりかなり薄いのでは？」
「…えぇ」
「濃いのばかり飲んでいたら胃を荒らすだけでなくカフェイン効果で神経を疲れさせるだけですので。たまには休ませてあげて下さい。」

そうしてふっと笑う。その時オーブンがなった。