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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第6章 お泊まりは突然に
気持ちが盛り上がってるのに中断するのも、どうなんだろうと思った。
でも今日はお酒を飲んで少し汗ばんでいたから、匂いとか色んな事が急に気になってしまった。
申し訳なさそうにしている私を見てカイさんは
「一緒に入る?」
と冗談ぽく言って、バスルームに連れて行ってくれた。
「すみません。」
カイさんは、ヒラヒラと手を振ってリビングの方へ行った。
温かいシャワーで私の酔いは、完全に覚めていった。
カイさんに私はまだ気持ちを伝えてないし、カイさんの気持ちも聞いていない。
カイさんの事だって、全然知らないのに。
酔った勢いで家まで来てしまった。
このままカイさんと、一夜を共にして良いのだろうか…。
今更そんな事を考えてしまう。
でもカイさんとなら、後悔はしないと思う。
こんなに惹かれているのだから…。
私は覚悟を決めてバスルームを出た。
とりあえずバスタオルを巻いて、カイさんに声をかける。
「カイさん、何か着る物貸してください。」
「これどうぞ。」
スゥェットの上下を貸してもらい着替え終えると、もう1度カイさんを呼ぶ。
「ドライヤーって、どこにありますか?」
微笑んだカイさんが近づいてくる。
「俺が乾かしてあげる。こっちおいで。」
カイさんが、手招きしている。
カイさんの前に立つと、後ろにいる鏡の中のカイさんと瞳が合った。

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