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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第22章 第九話 【夫婦鳥~めおとどり~】 其の壱

「伊勢次さん」
お彩は伊勢次の眼を真っすぐに見つめた。
「四日前のお話なんですけど」
「えっ、もう返事をくれるのかい。あれだけ大変なことがあったんだから、返事は落ち着いてからでも良いんだぜ」
伊勢次が言うのに、お彩は真顔で首を振った。
「ううん、今だから言わなくちゃいけないような気がするんです。私みたいな者に本当にありがたいお話なんですけど、私、やっぱり―」
「おっと、待った」
伊勢次がお彩の前に片手を突き出した。
「判ったよ。もう十分だ。それだけ聞きゃあ、お彩ちゃんの応えは判るからさ。俺だって、これでも男の端くれだ。そう何度も同じ相手にフラレたくはねえから、そこまでにしといてくれねえか」
お彩は伊勢次の眼を真っすぐに見つめた。
「四日前のお話なんですけど」
「えっ、もう返事をくれるのかい。あれだけ大変なことがあったんだから、返事は落ち着いてからでも良いんだぜ」
伊勢次が言うのに、お彩は真顔で首を振った。
「ううん、今だから言わなくちゃいけないような気がするんです。私みたいな者に本当にありがたいお話なんですけど、私、やっぱり―」
「おっと、待った」
伊勢次がお彩の前に片手を突き出した。
「判ったよ。もう十分だ。それだけ聞きゃあ、お彩ちゃんの応えは判るからさ。俺だって、これでも男の端くれだ。そう何度も同じ相手にフラレたくはねえから、そこまでにしといてくれねえか」

