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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第13章 第五話 【夏霧】 其の弐

それでも、勝蔵に怯えながら暮らしていた日々よりは、おきみには、まだマシに思えた。一年ほど宿場町で稼いだ後、再び江戸に舞い戻ったのだ。そして「花がすみ」の仲居として雇われたのが喜六郎との縁の始まりであっった。
やがて朴訥だけれど誠実な喜六郎に次第に心惹かれるようになり、おきみは喜六郎に想いを打ち明けた。最初は相手にしなかった喜六郎もやがておきみの意を受け容れ、二人は相惚れの仲となった。
が、その幸せも長くは続かなかった。勝蔵がおきみの居所を知ってしまったのである。おきみが家を出てからというもの、勝蔵も勝蔵なりにそのゆく方を追っていたのだ。勝蔵はおきみを外で待ち伏せし、店の金を持ち出せと迫った。
やがて朴訥だけれど誠実な喜六郎に次第に心惹かれるようになり、おきみは喜六郎に想いを打ち明けた。最初は相手にしなかった喜六郎もやがておきみの意を受け容れ、二人は相惚れの仲となった。
が、その幸せも長くは続かなかった。勝蔵がおきみの居所を知ってしまったのである。おきみが家を出てからというもの、勝蔵も勝蔵なりにそのゆく方を追っていたのだ。勝蔵はおきみを外で待ち伏せし、店の金を持ち出せと迫った。

