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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第46章 最終話【睡蓮】 四

「それは仏さまお決めになることだからね、徳太郎」
「なーんだ、つまらないの」
罰当たりなことを言い頬を膨らませる倅を見て、夫婦は笑いながら顔を見合わせた。
亭主がそっと手を差し出すと、女房がその手を握る。見れば、女房の腹はかなり膨らみが目立った。三人目の子どもが女房の腹に宿っているのだ。
桜の花びらが風に乗ってひらひらと舞う中、親子連れはのんびりと長い石段を昇っていった。
どこにでもあるような、本当にありふれた家族の仲睦まじい光景である。
だが、この家族の一人一人の笑顔が実に幸福そうに輝いていたことは言うまでもない。
( 完)
「なーんだ、つまらないの」
罰当たりなことを言い頬を膨らませる倅を見て、夫婦は笑いながら顔を見合わせた。
亭主がそっと手を差し出すと、女房がその手を握る。見れば、女房の腹はかなり膨らみが目立った。三人目の子どもが女房の腹に宿っているのだ。
桜の花びらが風に乗ってひらひらと舞う中、親子連れはのんびりと長い石段を昇っていった。
どこにでもあるような、本当にありふれた家族の仲睦まじい光景である。
だが、この家族の一人一人の笑顔が実に幸福そうに輝いていたことは言うまでもない。
( 完)

