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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第46章 最終話【睡蓮】 四

【四】
その夜、市兵衛が熱を出した。顔がいつもより赤いので、触ってみたところ、かなりの高熱を発しているようだった。急ぎ、かねてから市兵衛を診て貰っている御殿医の徳井宗安が呼ばれた。幸いにも宗安は屋敷にいて、すぐに往診にきた。
市兵衛を診た宗安は、難しい表情で言った。「発熱の原因が判りませんな。あるいは夏風邪でもお引きになったかもしれません。とにかく、これ以上体力を落とすことのないように、すみやかに熱が下がることを祈るのみです」
そう言い置いて、解熱の効果のある薬と葛根湯を処方して帰っていった。宗安が帰った後、お彩はずっと市兵衛の傍に付き添った。
その夜、市兵衛が熱を出した。顔がいつもより赤いので、触ってみたところ、かなりの高熱を発しているようだった。急ぎ、かねてから市兵衛を診て貰っている御殿医の徳井宗安が呼ばれた。幸いにも宗安は屋敷にいて、すぐに往診にきた。
市兵衛を診た宗安は、難しい表情で言った。「発熱の原因が判りませんな。あるいは夏風邪でもお引きになったかもしれません。とにかく、これ以上体力を落とすことのないように、すみやかに熱が下がることを祈るのみです」
そう言い置いて、解熱の効果のある薬と葛根湯を処方して帰っていった。宗安が帰った後、お彩はずっと市兵衛の傍に付き添った。

