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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第45章 第十六話 【睡蓮】 参

けして男としては見られないけれど、兄のような大切な人。しかし、お彩は、その大切な人を死なせてしまった。
お佐歩は、うつむいて言った。
「むろん、許して下さいと申し上げて許して頂けるようなことではないのは十分心得ております。ですが、母の仕打ちも含めて、私には許して下さいと、こうして頭を下げるしかありません」
と、突如として陽が翳ったかと思うと、雨が降り出した。雨粒が地面を打つ音が次第に大きくなり、あっという間に本格的な降りになったようだ。
遠くで雷の音が不気味に響いている。その音は段々と近づいてきた。雨はますます激しさを増し、梅雨明けなのか、烈しい雷鳴が轟く。
お佐歩は、うつむいて言った。
「むろん、許して下さいと申し上げて許して頂けるようなことではないのは十分心得ております。ですが、母の仕打ちも含めて、私には許して下さいと、こうして頭を下げるしかありません」
と、突如として陽が翳ったかと思うと、雨が降り出した。雨粒が地面を打つ音が次第に大きくなり、あっという間に本格的な降りになったようだ。
遠くで雷の音が不気味に響いている。その音は段々と近づいてきた。雨はますます激しさを増し、梅雨明けなのか、烈しい雷鳴が轟く。

