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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第45章 第十六話 【睡蓮】 参

そんなある日の昼下がり、お佐歩がお彩を訪ねてきた。お佐歩は現在、母のお知歩と共に京屋で起居している。その日、お知歩は久しぶりに武蔵屋の方に戻っていて、留守であった。母の留守を見計らって、お彩の部屋を訪ねてきたのだろう。
もっとも、ここは、お彩の部屋というよりは女中部屋である。しかし、この時、お彩以外の者はおらず、部屋はお佐歩と二人だけであった。
「お内儀さん、少しお話があるのですが、良いでしょうか」
控え目に言うお佐歩に、お彩は頷いた。
「お忙しいときに済みません」
もっとも、ここは、お彩の部屋というよりは女中部屋である。しかし、この時、お彩以外の者はおらず、部屋はお佐歩と二人だけであった。
「お内儀さん、少しお話があるのですが、良いでしょうか」
控え目に言うお佐歩に、お彩は頷いた。
「お忙しいときに済みません」

