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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第44章 第十六話 【睡蓮】 弐

「お彩ちゃんがそうすると決めたのなら、俺は何も言わねえ。何があっても、もう惚れた男の傍を離れるんじゃねえぞ。今度戻ったら、次はないものと思んだぞ。お彩ちゃんがこれから京屋へと帰る道は行きの道しかねえ、一本道だ。今度市兵衛さんの傍に戻ったら、死ぬまで傍を離れねえ、そのくらいの覚悟で行け」
「はい」
お彩は潤んだ眼で頷いた。
喜六郎の細い眼にも光るものがある。
自分がこれから京屋へと帰る道は行きの道しかない、一本道。
その言葉は、お彩の胸深くに刻み込まれた。
今度こそ、もう二度と後戻りはできないのだ。お彩は唇を噛みしめながら自分に言い聞かせた。
「はい」
お彩は潤んだ眼で頷いた。
喜六郎の細い眼にも光るものがある。
自分がこれから京屋へと帰る道は行きの道しかない、一本道。
その言葉は、お彩の胸深くに刻み込まれた。
今度こそ、もう二度と後戻りはできないのだ。お彩は唇を噛みしめながら自分に言い聞かせた。

