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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第36章 第十四話 【雪待ち月の祈り】 其の弐

いずれにしろ、客商売にとって、お客が多いのは何よりである。主の喜六郎も上機嫌で、張り切って板場で存分に腕をふるっていた。
ところが、肝心の昼飯時になって、喜六郎がぎっくり腰になってしまった。別に重い物を持ち上げようと必要以上に無理をしたわけではなく、お彩に呼ばれて振り向こうした時、うっかり腰を変な風にひねったらしいのだ。
お彩は、とりあえず喜六郎に肩を貸して二階の部屋まで連れていき、布団を敷いて横にならせた。店の方はこんなときに限って、満員御礼の状態で、狭い店内には溢れんほどの客がひしめき合っている。普段から昼飯時は混むものと決まっているのに加えて、今日はまたどうしたものか、特別客が多い。
ところが、肝心の昼飯時になって、喜六郎がぎっくり腰になってしまった。別に重い物を持ち上げようと必要以上に無理をしたわけではなく、お彩に呼ばれて振り向こうした時、うっかり腰を変な風にひねったらしいのだ。
お彩は、とりあえず喜六郎に肩を貸して二階の部屋まで連れていき、布団を敷いて横にならせた。店の方はこんなときに限って、満員御礼の状態で、狭い店内には溢れんほどの客がひしめき合っている。普段から昼飯時は混むものと決まっているのに加えて、今日はまたどうしたものか、特別客が多い。

