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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第31章 第十二話 【花見月の別れ】 其の弐

濡れた着物を着替え、真っ先に、おきわの様子を窺った。おきわの寝息は規則正しい穏やかなものに戻っていた。わずかながら、頬にも赤みがさしている。熱のせいかと額に手を当ててみたけれど、高熱を発してはいないようであった。そのことに安堵した後のことはよく憶えてはいない。
そのまま、おきわの枕辺にくずおれ、眠ってしまった。
気がついた時、誰かの手が自分の手を握り締めているのが判った。我に返り、弾かれるように飛び起きると、おきわが眼を開いて自分を見つめていた。
「おきわさん、気がついたんですね」
嬉しさと安堵のあまり、涙が溢れた。
そのまま、おきわの枕辺にくずおれ、眠ってしまった。
気がついた時、誰かの手が自分の手を握り締めているのが判った。我に返り、弾かれるように飛び起きると、おきわが眼を開いて自分を見つめていた。
「おきわさん、気がついたんですね」
嬉しさと安堵のあまり、涙が溢れた。

