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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第3章 本当の自分を見せて
陽菜乃も負けずに言い返す
「お兄ちゃんのこと、素行不良なんて言って!」
「事実じゃない! 何にも失礼じゃないわ! それで凪が傷ついたとしても、そんなの自分で撒いた種でしょう!」
陽菜乃はバンッ!と机を叩いた
「お母さんとか周りの人がいつまでもそうやって言うからお兄ちゃんも素直になれないんじゃないの? お兄ちゃんは変わってきてるよ。お母さんだってわかってるでしょ」
「変わる? 多少夜歩きがなくなったくらいで、世間様から見たら不良であることに変わりないわ!」
“どうして母親なのに信じてあげないの?”
陽菜乃は怒りでわなわなと震えた
「……もういい。お母さんに何言っても無駄」
母親に背を向けてリビングを出る
ふと見ると、薄暗い廊下に凪が立っていた
「お兄ちゃん、いたんだ……」
陽菜乃は少し気恥ずかしそうに俯いた
「陽菜乃……」
凪は久しぶりに妹の名前を口に出した
生まれてから、これほど妹に感謝して、愛おしいと感じたことはない
「俺のために、お前がそんなに怒る必要ないんだぞ」
だがその気持ちを素直に表すのも恥ずかしくて、陽菜乃の方をまともに見れない

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