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第1章 俺を裏切るな！

凪と一つ違いの妹、陽菜乃である



「悪いんだけどすぐ来てくれない？ お兄ちゃんすごく不機嫌で、あれじゃ熱が上がっちゃう」

「いや、でも私は……」



家族じゃないし、と言いながら看護婦さんの様子を伺う



「……仕方ないわね。患者さんの精神安定剤だもの」



ため息をつきながらも許可がおり、美和は少し顔を輝かせた

もちろん、本人は無意識なのだが。


「ｸｽｯ……やっぱり相思相愛なのね」



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「それじゃ、１５分だけですよ。それが限界です」

「はい、無理言ってすみません」



美和はそう言って病室に入ろうとする



「あれ？ 陽菜乃ちゃんは入らないの？」

「うん、私はさっき会ったから。それに二人きりの時間を邪魔するなんて野暮じゃない？」



陽菜乃の言葉に、また顔を赤くしてうつむく美和



「だから、お兄ちゃんのなだめ役お願いしますっ！」

「う、うん……」



病室に入ると、いつもなら起き上がって待っているはずの彼も、今日ばかりは横になっている



“寝てるのかな？”



そっと近づくと、



「遅かったな……」



凪が目を開けて話し掛けてきた