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妖精王は軍人に奪われる
第4章 不完全な存在
「メア様、失礼しますぞ…おや」
扉を開いた格好のままファルコは
すっと動きを止めて目を見張った
それも当然の反応だろう、血溜まりが
身を寄せ合っている2人の足元に
出来ているのだから
「…メア様、鍛錬はあと一時間ほど
お待ちください。今のうちにお風呂に
入られてはいかがですかな?」
「ああ、そうしておこう
…アイリスも入るか?」
ニヤリと意地の悪い笑みを向けられ
アイリスは困惑しながらも返答する
「あの、えっと…今は遠慮させて
いただきますね」
「今は…か」
フッと笑ってメアは扉の向こうへと
消えていく
ファルコと部屋に残されたアイリスは
この部屋の惨状をファルコが誤解しない
ように弁明をしようと口を開いた
「……ファルコさん、これは……」
「わかっております、メア様が
なさったのでしょう?」

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