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妖精王は軍人に奪われる
第2章 冷たい瞳
風呂から上がったアイリスは、メイドに
着付けを手伝ってもらっていた
黒と白の、腰に花が飾られたふわりとした
ドレスを身に纏うと先程までの
薄汚れた奴隷とは思えぬ姿になった
「ファルコ…さん、湯浴み終わりました…」
「おお…見違えましたぞ、アイリス様」
おずおずと廊下に顔を出すと、迎えに来た
ファルコが感嘆の声をあげる
「やはり似ていますな、あの方に…」
(あの方…?)
「あの方…とは?」
少しだけ気になり、アイリスは
聞いてみることにした
「おお、失礼いたしました
心で思ったことが漏れてしまったようです」
はぐらかされ、アイリスは失礼な
質問だったかと恥じる
「さて…メア様がお待ちです
行きましょう…」
(メア、様…私を助けてくれた方)
再びファルコの後ろを、アイリスは
長い廊下を眺めながら歩いた

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