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妖精王は軍人に奪われる
第2章 冷たい瞳
「…!」
自由になった手足を動かすと、メア様と
呼ばれた白髪の男がゆっくりしゃがみ
アイリスを床に降ろす
(この人はメア…様 こちらの方はファルコさん…)
「ありがとう…ござい、ます」
「いいえ、礼には及びませんぞ
さあ、こちらへ」
伏せていた顔を少しあげ、ファルコを
真っ直ぐ見つめ歩き出した
ファルコはその様子を見ると目を
少しだけ細め メアの方を向く
「メア様……この方は」
「……アイリス、妖精だ」
名は違えども似ている、と
ファルコもまた思った
「俺は自室に居る…風呂からそいつが
出たら俺の自室に連れてこい」
「わかりました ささ、アイリス様
こちらです」
歩き出したファルコの背を追いかけ
アイリスは戸惑いながらも廊下を
進んでいった

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