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素直になれなくて
第8章 波乱と別れ
「おい、桜庭。悠里から何か連絡入ってないか?」
昼過ぎ、午前中の外回りを終えて、浅井は職場へ戻ってきた。悠里はもう来ていると思ったが、まだ、居なかった。
「来るって言ってたんでしょう?」
「ああ。」
恵美はニヤニヤ笑ってる。
「昨日の夜の疲れが出て、寝ちゃってるんじゃないの?」
「バカッ……お前……」
浅井は真っ赤になった。
「どんだけしたのよ。ケダモノ。」
浅井は、頭の中でカウントを始めた。
「……教えない……」
恵美はクスクスと笑った。
「そのうち、ヒョッコリ来るわよ。」
「そうだよな。」
浅井は頭を掻きながら、デスクに戻った。
その日、悠里は職場に来なかった。
浅井と恵美は、ちょっと心配になって、仕事帰りに悠里のマンションに行った。
「浅井は、もう少し加減しなさいよ?」
「わかったよ。もう、ムリさせない様にするよ。」
浅井は、頬を染めながら、俯いた。
ピンポーン
チャイムを鳴らしたが、反応がない。
「まだ、寝てるのかな?」
玄関の扉を開けた。
「なっ……」
「嘘でしょ……なんで……」
部屋の全ての荷物がなくなっていた。
「あ……田坂の部屋……」
浅井は、慌てて隣の部屋へ行く。
「悠里っ!」
田坂の部屋も、全ての荷物がなくなっていた。
「悠里……悠里……何で……」
「浅井!これ!」
廊下で立ち尽くしている浅井に、恵美はメモを手渡した。
浅井へ
今まで、本当にありがとう。
支えてくれて、ありがとう。
愛してくれてありがとう。
浅井は、浅井の人生を歩んで下さい。
幸せを祈ってます。
悠里
「何だよ、これ?」
「浅井……」
「何なんだよ。わかんないよ…悠里……」
昨日の悠里の肌の温もりが蘇る。
ずっと側にいるって……何処にも行かないって……
「言ってたのに……こんなに…愛してるのに……」
浅井はその場に崩れ落ちた。
何もなくなった部屋で、浅井は悠里の手紙を握り締めながら、しばらく座り込んで動けなかった。
昼過ぎ、午前中の外回りを終えて、浅井は職場へ戻ってきた。悠里はもう来ていると思ったが、まだ、居なかった。
「来るって言ってたんでしょう?」
「ああ。」
恵美はニヤニヤ笑ってる。
「昨日の夜の疲れが出て、寝ちゃってるんじゃないの?」
「バカッ……お前……」
浅井は真っ赤になった。
「どんだけしたのよ。ケダモノ。」
浅井は、頭の中でカウントを始めた。
「……教えない……」
恵美はクスクスと笑った。
「そのうち、ヒョッコリ来るわよ。」
「そうだよな。」
浅井は頭を掻きながら、デスクに戻った。
その日、悠里は職場に来なかった。
浅井と恵美は、ちょっと心配になって、仕事帰りに悠里のマンションに行った。
「浅井は、もう少し加減しなさいよ?」
「わかったよ。もう、ムリさせない様にするよ。」
浅井は、頬を染めながら、俯いた。
ピンポーン
チャイムを鳴らしたが、反応がない。
「まだ、寝てるのかな?」
玄関の扉を開けた。
「なっ……」
「嘘でしょ……なんで……」
部屋の全ての荷物がなくなっていた。
「あ……田坂の部屋……」
浅井は、慌てて隣の部屋へ行く。
「悠里っ!」
田坂の部屋も、全ての荷物がなくなっていた。
「悠里……悠里……何で……」
「浅井!これ!」
廊下で立ち尽くしている浅井に、恵美はメモを手渡した。
浅井へ
今まで、本当にありがとう。
支えてくれて、ありがとう。
愛してくれてありがとう。
浅井は、浅井の人生を歩んで下さい。
幸せを祈ってます。
悠里
「何だよ、これ?」
「浅井……」
「何なんだよ。わかんないよ…悠里……」
昨日の悠里の肌の温もりが蘇る。
ずっと側にいるって……何処にも行かないって……
「言ってたのに……こんなに…愛してるのに……」
浅井はその場に崩れ落ちた。
何もなくなった部屋で、浅井は悠里の手紙を握り締めながら、しばらく座り込んで動けなかった。

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