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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第31章 Epilogue ── とある恋人たちの日常

「ねぇ行きましょうよ。今すぐ!切りましょう?」
「面倒だ…!! 行かない…」
「まだ朝のうちに出掛けたほうが、外も暑くないですよ」
「…っ…揺らすな…」
先伸ばししても意味がない。
それを承知のミレイは、かたくなに動こうとしないカルロの腕を揺すって強引に誘ってみる。
カルロはカルロで、本気で嫌がっていた。
「いい加減にしろ…──!……っ…」
「…ぁ…っ」
カルロは彼女の手を振り払い、怒鳴り声とまではいかなくても…明らかに機嫌を損ねた声で、諦めない彼女に言い返した。
「…ごめんなさい…」
「……!」
それを察したミレイは、強めな態度もたちどころに身を潜めて、しゅんと小さくなる。
彼女は大人しく紅茶に口をつけ、カルロから目を離した。
「謝る必要は…─ッ」
慌てて言葉を言いかけたカルロは、思いとどまり、唇の端を噛む。
「……ッ」
溜め息をついてから、白い天井に視線を戻した。

