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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第29章 契約の熱

──違う…本当は
隣のカルロに目を向けることができなくて、窓の外の流れる風景を見ているのかもしれない。
彼と何を話せばいいかわからないから、追っ手に意識を集中させているのかもしれない。
「カルロさん…」
「──…何?」
「どこに、向かって…?」
行き先を告げないカルロに、ミレイは勇気を出して聞いてみた。
そしてカルロは抑揚のない声で答えた。
「どこだっていい…。邪魔が、入らなければ」
「どこでもって…」
「あんたを抱ければ」
「……っ」
ミレイは反射的に運転席に向く。
「そのために来た。…いや、元の目的は違ったが」
隣で焦燥している彼女と、カルロは一瞬だけ目を合わせた。

