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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第28章 奪回

同時に不思議に感じてしまう。
大切な家族を危険から守りたい。──これは当然の感覚で
いたって正常な…親の愛なのに
どうしてこんなに窮屈に感じてしまうのか。
“ 何もかもが…歪んでいるのかしらね ”
誰かに聞いてみたい。
歪んでいない愛とは、いったいどんなものなのか。
そんな愛が存在するのか。
“ 正しい愛があるなら…教えてほしい ”
どんなふうに人を愛せば
わたしたちは、苦しまないでいられたの──
パリンッッ──
「きゃあああ!!」
「うわあ!!」
その時だ
会場に悲鳴が起こった
「…ッッ…え?なに…!? 」
人々の談笑が途切れ、悲鳴の方へといっせいに視線が集まる。
どよめきが広がる中…ミレイは人の間をぬって駆け寄った。
そして彼女は小さな穴を中心にひび割れた窓ガラスを視界に入れて、立ち止まる。
“ これは…っ ”
この割れ方は…
銃弾──
「外から発砲された!窓から離れて下さい!」
ミレイが言うより先に、警察の男が参加者に向かって叫んだ。

