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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第24章 血の因果( インガ)

ヒデアキは、混乱しだした彼女に向かって柔らかく目を細めた。
カルロを見る時の厳しい目とは、まるで違う。
「14年前に私はアンナと再会した。その時の彼女はすでに離婚し、フリーのガードマンとして復帰していた。…まだ幼い君を育てながら」
14年前──?
そのひとつのキーワードが、ミレイの思考に重要な鍵を渡した。
“ 14年前──…わたしが、4才の時…?”
「それ で……?」
「本当に聞きたいのかい?」
続きを促すミレイに、ヒデアキは逆に聞き返す。
本当に聞きたいのか?
本当に知りたいのか?
ここで事実を知ることに…どんなメリットがあるのか。
「…っ…やめろ」
「…ッ」
頷こうとしたミレイを、カルロが後ろに突き飛ばした。
部屋から突き出された彼女は廊下に手をついて倒れる。
「あんたは何も聞かなくていい」
「カルロさん…っ…」
「消えろ、ここから…」
転んだ彼女に振り向くことなく、カルロが立ち去るように命令した。

