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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第16章 Mission.2 ~ 逃避せよ

「乱暴に扱うのはやめてくださいね!?」
「…っ…黙れ」
宙吊りにされた猫は手足をばたつかせる。
そんな猫を目高まで持ち上げたカルロは、じっと何かを観察していた。
「……?何をするんですか?」
「……」
彼は首輪を見ていた。
「──…爆弾ではなさそうだな」
そしてカルロが首輪に触れると、ふいにカチンと音がして、猫の付けていた首輪のロックが外される。
宙吊りだった猫はそのまま放り投げられ、あやうく地面に叩き付けられるところだ。
間一髪で体勢を整えて、上手く着地できた。
「ッ─…その首輪が…何か?」
「盗聴機だ」
悪趣味だな、と呟いて
カルロはそれを背後の花壇に投げ捨てる。
“ 盗聴…? ”
首輪の無くなった猫は、解放されて嬉しそうだ。
礼を言うように尻尾を振った後、二人の前からいなくなってしまった。

