この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
鏡の中から…
第14章 またね
礼二は…嬉しそうに…
そんな子供たちを見詰めていた
「父さん、私、今日結婚式を挙げるから!」
夏海は父にそう言った
礼二は信じられず…夏海を見た
「だから、写真を沢山遺してね
バージンロードを一緒に歩いてね」
夏海は父にそう贈った
父は…娘の想いが嬉しくて泣けた
残りの時間は…
もうないだろう
昨日まで臥せっていた
なのに…元気な姿で帰ってきた
この姿が…
長く続かないのは…
知っていた
だけど…親だから…
願ってしまう
夢見てしまう
願わくば…
夏海の時間を…もっとください…と。
若くして逝く
我が子を…
引き留める術はない
父は…揺れる夏海の姿を
何時までも…瞳に焼き付けていた

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


