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禁断の果実に口づけを
第14章 勃発
あの女にも教えてあげたのよ。
いつまでも、その傲慢な態度を続けたらどうなるか?……っていう事をね。
あの日たまたまた果物ナイフが手元にあったのよ。
入院している夫がリンゴを食べたいなんて言うからね…
仕事の合間にリンゴを届けたわ。
子供の様にリンゴが剥けるまで、微笑みながら楽しみにしていたのに、一口口に入れたら食べれなくなったわ。
癌の進行のせいよ………
『子供達が巣立ったら、マイホームでも買おう』
これが私達夫婦の目標だった。
だから、主人も私もその時の為に必死に働いていた。
息子も大学を卒業して企業に勤め出していたし、娘は看護学校の卒業を控えていた。
そんな矢先の出来事だったわ。
なん度も入退院を繰り返し、転移した癌の治療に専念させた。
ちゃんとした保険を主人にかけていたから出来た事だわ。
ただ、働けない主人の代わりに私が必死になるしかなかった。
最初は朋ちゃんも悲劇の未亡人だったし、十分同情も出来た。
可愛がってあげたじゃない。
仕事の手とり足取りを教えて目をかけていたの。
あなたもそれに応えてくれていたけど………
やり方が汚いのよ!
男に媚売ってボンボン契約を上げてさ!
その上、自分が連れてきた新人の面倒は見れてない。
自分の成績や外面だけはいい。
よく見てたでしょ?
高慢ちきな女を大人しくする方法をね……

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