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禁断の果実に口づけを
第11章 REDな夜
「伸介にもそんな恋の思い出あるの?」
「さぁな?
けど、俺は去る者追わずよ。
自分の元を去った女に未練はないな。
俺に見切りつけて別れた女をいつまでも思ってやれる程、優しくない」
『そういう女居たのね…
当たり前の事だけどさ…
恋しない人間なんて居ない。
私にも恋した時間(とき)があった。
クリスマスが待ち遠しくて、幸せな気持ちになれた過去。
一人がこんなに寂しいなんて知らなかった頃』
「伸介らしいね」
「俺らしいって?」
「そういう強いとこ」
「じゃあ、洋子もそうなればいいべ?
先に見切りをつけられたんなら、サヨナラでいいんだ。
それまでは嘘偽りない気持ちぶつけていたんなら、逆にスッキリするもんじゃね?」
「伸介のそういうとこ羨ましい」
窓から見える景色は、クリスマスのイルミネーションが飾られた家や公園などが無償で目を楽しませてくれる。
運転していたら、こんな景色もゆっくり眺めていられない。
いや、見ても楽しいなんて気持ちにはならなかっただろう。
誰かと見るから、こういう景色も純粋に楽しめるのだ。
「羨ましいなら、そうすればいいだろ」
簡単に言うよね!

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