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催眠玩具
第15章 愛する玩具
ねえ、知ってる? 亜理紗お姉ちゃん。
僕にはお姉ちゃんがいたんだ。
となりのお姉ちゃんって呼んでいた、優しいお姉ちゃん。
パパやママがいない夜、お姉ちゃんはわざわざ家まで来て、僕といっしょに過ごしてくれたね。
ご本を読んでくれたり、玩具で遊んだり……。
でも、僕は男の子だから、僕の玩具は男の子の玩具ばかり。
だから、ときどきはお姉ちゃんが自分の玩具を持ってきてくれたね。
お姉ちゃんは女の子だったから、持って来るのは当然、女の子の玩具。
僕は玩具が好きだ。
女の子の玩具も、男の子の玩具と同じぐらいお気に入りだったんだ。
男の子の玩具も、女の子の玩具も、実はそんなに変わらないんだ。
手に持って、動かす。
玩具の代わりに口をきいてあげる。
そうやって、僕らは心を育む。
そんな風に、僕らの心は出来ていく。
悲しい時は、玩具が代わりに泣いてくれる。
嬉しい時は、玩具が代わりに笑ってくれる。
腹が立った時も、玩具が代わりに怒ってくれる。
バラバラバーン! ヒューン!
ボカーン!
男の子の玩具はミサイルを落とすことができるよ。
女の子の玩具は何ができる?

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