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秘密のキスは蜜の味【完結】
第27章 愛すればこそ②……
顔を固定して唇を塞ぐと艶かしい声が洩れてきて…暫くすると身体の力が抜けて大人しくなった。
すぐその気になるくせに諦めろ。
「葉瑠……行く?」ムッ…行けば、いいんでしょ。
仕方なくって感じだな。
体勢を入れ替え向かい合うと膨れっ面だ
「そんな顔してたら美人が台無しだ、ほらっ笑え」
せっかく出掛けるんだから笑おうぜ。なっ、葉瑠…
葉瑠に笑ってほしいからさ、ムリと唇を尖らせてキスしようと顔を寄せてみた…そしたら
「プッ、やだっ、変な顔」
そこで漸く笑ってくれた。
「なんだと、ほらっ葉瑠…ちゅーしよ」
「キャハハ、ちょっとやめて…」
「よし笑ったな、俺の勝ちだ」
ムッ!勝負してないもん。
いいんだよ、やっぱり葉瑠は笑ってる方が可愛いぞ。
「ん…もうっ」んっ、お利口さん。
さっ!のぼせちゃうから出よ。
「別れない…よね?」え?
葉瑠が突然小さな声でそう呟いた。
葉瑠だって不安でいっぱいなんだよな…
「なに言ってんだよ。別れるわけないだろ」
だって!鏡也君…
待ってろって言ってくれないんだもん。
それは……
夕べ泣き腫らした瞳がゆらゆらと揺れている、
そんな顔を見たらなんだか急に込み上げてきて……葉瑠が愛しくて寂しくて堪らなくなった。
「葉瑠?離れてても、俺は葉瑠を愛してるから」
「……ウッ、グスッ」
俺の言葉を聞いて葉瑠の眼には涙が溢れてくる…
両手で頬を包むと一気に涙がこぼれ落ちた。
「葉瑠…ごめんな」
こんなふうに泣かして俺も悔しいよ!

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