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第3章 ハネムーン

「まだ、若かったですからね。夢だけは大きくて。
将来的に、それぞれの専門分野での事業に展開して、
お互いの会社をパートナーと出来るようにしよう。
そんな風に始めたものです」


そして、その通りの結果となり、
現在は観光、食、輸送の三分野で、
良きパートナーシップが結ばれているのだそうだ。

そんな話をしながら、ゆっくりとブランデーを味わうお父様に、
私はそっと尋ねた。


「あの、彼のお母様って、どんな方だったんですか？」


すると彼は、視線を夕日を映す遠くの海へと向け、穏やかな口調で言った。


「そうですね。一言で言えば、好奇心と夢に溢れたエネルギッシュな人でした」