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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第9章 小平太という男
 小平太の姿が四つ辻を曲がりきり、薫子は小さな息を吐いた。指を折って数えてみる。今日で内裏を出て七日め、帝に逢えないままもう七つの日が過ぎた。
―承平さん、今頃、どうしているのかな。
 想いは大好きな男のことばかり。
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