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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第9章 小平太という男
「まあ、少しはな。仏像が作られた時代だとか、あ、仏像だけじゃないぞ、唐渡りの壺だとか焼き物だとか、そういった美術工芸品の真贋についてなら多少は見る眼はあると自負してるんだがな」
 最後は自慢したのを照れるように笑った。
「知識と経験が物を言う仕事だもの」
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