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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第9章 小平太という男
「薫ちゃん、俺ァ、食うもんが何もなくてゴミもあさったことがあるんだよ。そんな悲惨な体験をした者には、多少土がついてたって払えば滅多とありつけねえご馳走なんだ。間違っても、棄てるなんて言えやしねえ」
「ごめんなさい、私、そんなことも知らずに無神経なことを言ってしまったわ」
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