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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第9章 小平太という男
 それから、小平太は薫子が作った心尽くしの料理をしきりに褒め、お代わりまでして気持ち良いほど綺麗に平らげた。
「先日はあんなものを差し上げることになってしまったから、たいしたものはないけれど、ちゃんとした食事をご馳走できて良かった」
 薫子が言った時、小平太が首を振った。
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