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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第19章 水蜜桃の戯れ
 彼の言葉は、栄子の頬を更に紅くするに十分過ぎた。友平はついと身を起こすと、身軽に動いて部屋の戸を半分ほど開けた。
 丁度開いた隙間から、庭の池が見渡せる。無数の眩(まばゆ)い光が軌跡を描きながらスゥーと流れるように漆黒の闇を漂っていた。
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