この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ただ一つの一対
第6章 夢の終わり

今度は菊も腰を動かし美和子を追い詰める。激しいのが嫌いなどと言っていたが、それも方便だ。何度美和子が達しても、菊の勢いは衰えない。
「若っ、若……あああっ!! イク……ひぁ、ああーっ!!」
もう何度目かも分からない絶頂に中が一段と締まったその時、菊自身にようやく変化がもたらされる。美和子の中でさらに膨らむと、痙攣し続ける美和子の最奥へ熱いものを放った。
最後の一滴まで残らず出すと、菊は達した自身を引き抜く。そして息絶え絶えに震える美和子を抱き上げ、部屋から連れ出す。
「あ……若、私……」
「まさか今さら、あの無能の元へ戻るとは言わないでしょう?」
部屋を出れば、それは則宗と決別する証である。しかし部屋を抜け廊下へ出ても、美和子に則宗を恐れる気持ちは全く沸いてこなかった。
「私……復讐、します。あなたも……いつか地獄へ叩き落とします」
その言葉は、抱かれる前と同じもの。だがその端には、どこか甘みがある。
「そうでなくては面白くありません。足掻きなさい、その方が、僕も退屈せずに済む」
菊が満足げに笑えば、美和子も笑みを浮かべる。絶望に暮れる夢は、もう終わる。そしてそれは、新たな夢の始まりでもあった。

