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純の恋人
第5章 三人の正体
 






 辿り着いたマンションは、私が想像していたよりも大きくて綺麗なところだった。オートロックだし、部屋も四階。セキュリティに不備はなく、部屋のドアにもきちんとチェーンが掛けられる。ストーカーがいても簡単には入れなさそうだった。

 ゴシック調が好きだったのか、部屋はちょっとゴージャスな雰囲気だった。よく見るとそんなに高そうではない家具だから、多分必死でそれらしいものを探し当てたんだろうけど。

「純、しばらくは、私も様子を見に来るからね。まずは普通に生活が出来るようにしましょう」

 姉はイドさんが運んでくれた荷物を開き、片付けながら話す。日常生活で必要な買い物の店などの案内をするとか言うけれど、それは断った。多分姉じゃ、また迷うだろうし。自分の足で色々散策した方が、何か思い出せるような気もしていた。

「寝室はこっちね、純。布団は昨日掃除した時に干したから、そのまま使って大丈夫よ」

 贅沢な事に、マンションは二部屋ある。姉に案内されて寝室に入った私は、目についた棚に言葉を失った。

「……純?」

 ベッドと小さなテーブル、そしてやけに大きなコンポの置かれた部屋。その棚に並べられたCDには、聞き覚えのある言葉が書いてあった。
 
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