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第1章 prologue

体育館へ行き、俺はバスケットシューズの紐を結び直す。

「あれ？みんなどうしたの？」

委員会で少し遅れた桜がギャラリーと化していた他の部員に聞いた。

「大野と成瀬が1on1で勝負するんだって」

それを聞いた桜は「ちょっと！」とコートにいる俺と大野のところへやってきた。

「練習中断して何してるの？」

「今から成瀬と勝負するんだよ。ちょっと賭けしててさ」

大野が言った。

「賭け？賭けってなに？」

桜は勝手なことをしている俺たちを怒っている。

「ごめん。桜。この勝負は受けなきゃいけないんだ。そして勝たなきゃいけない。だから黙って見てて」

俺の言葉を聞いて、桜は戸惑った顔をした。

そして何も言わずコートの外へ出た。