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貶女(おとしめ)
第21章 【貴子 side】

ところが最近、猿彦の様子が変わってきた。
どこか余裕があるというか、以前のように飢えた獣じみた視線で貴子を見なくなったのだ。
おかしいと思って、ある夜カーテンの隙間から離れを観察していたら、なんと猿彦は母屋に忍び込んで来るではないか。
そしてドアの側で耳を澄ませていると、足音が近づいてきた。
(まさか私に夜這いを仕掛けるつもり!?)
冗談じゃない、とカギのかかったドアノブをしっかり握り締めて待ち構えるが、足音は貴子の部屋の前を通り過ぎて行ってしまった。
どこか余裕があるというか、以前のように飢えた獣じみた視線で貴子を見なくなったのだ。
おかしいと思って、ある夜カーテンの隙間から離れを観察していたら、なんと猿彦は母屋に忍び込んで来るではないか。
そしてドアの側で耳を澄ませていると、足音が近づいてきた。
(まさか私に夜這いを仕掛けるつもり!?)
冗談じゃない、とカギのかかったドアノブをしっかり握り締めて待ち構えるが、足音は貴子の部屋の前を通り過ぎて行ってしまった。

