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わたしの肢体
第1章 新本一花(13)
「なに照れてんだよ。普段だーれにも見てもらえないんだからさぁ。ざっしに掲載されて、むしろ嬉しいだろ?」
口を閉じられないサナエが不完全な悲鳴を上げる。
可憐さの欠片もないしぼんだ声が室内に響く。
サナエは壮絶な顔で首を左右に振る。
その様子を見つめていた男の表情が徐々に曇っていく。
「はぁ?嫌だってぇ?」
アイロンのむわっとした熱気が、サナエの全身から吹き出す脂汗の湿度に混じって台所にじわじわと流れてくる。
火傷した股間を汚す白い蝋が尻のほうにまで垂れ落ちて、泣いているようにも見えた。
声にならない声を上げるサナエの開きっぱなしの唇が歪む。
それを見て男は不機嫌な声を上げた。
「やめて、って・・・はぁ?」
事実、サナエは泣いていた。
舌を串刺しにされだらしなく涎を垂らしながら、喉からヒッヒと声を漏らして、嗚咽していた。
「それまじで言ってんの?」
男はアイロンへ向けて伸ばしていた手をきゅうに引っ込めた。
そして唐突に、ろくに上げたこともないのであろう実にぎこちなくおぼこい怒声をサナエにぶつけた。
口を閉じられないサナエが不完全な悲鳴を上げる。
可憐さの欠片もないしぼんだ声が室内に響く。
サナエは壮絶な顔で首を左右に振る。
その様子を見つめていた男の表情が徐々に曇っていく。
「はぁ?嫌だってぇ?」
アイロンのむわっとした熱気が、サナエの全身から吹き出す脂汗の湿度に混じって台所にじわじわと流れてくる。
火傷した股間を汚す白い蝋が尻のほうにまで垂れ落ちて、泣いているようにも見えた。
声にならない声を上げるサナエの開きっぱなしの唇が歪む。
それを見て男は不機嫌な声を上げた。
「やめて、って・・・はぁ?」
事実、サナエは泣いていた。
舌を串刺しにされだらしなく涎を垂らしながら、喉からヒッヒと声を漏らして、嗚咽していた。
「それまじで言ってんの?」
男はアイロンへ向けて伸ばしていた手をきゅうに引っ込めた。
そして唐突に、ろくに上げたこともないのであろう実にぎこちなくおぼこい怒声をサナエにぶつけた。

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