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わたしの肢体
第1章 新本一花(13)
「じゃあわかれよっかあ!?」
男のぼさぼさの髪が揺れた。
大雑把なつくりの関節が目立つ大きな手のひらがサナエの顎を強く掴む。
「嫌なら別れたっていいんだぜ?」
サナエのたるんだ頬に、男のかさついた若々しい華奢な指先が食い込んでいる。
サナエは痛みからか、恐怖からか、それとも、男に嫌われたくない一心からか。
細い目から涙を零しながら、大きく左右に首を振った。
その横顔はひどく悲しかった。
たくさんのニードルも、それらが突き刺さる乳首も、虚しさといっしょに揺れていた。
「おれのことが好きだから、付き合うかわりになにされてもいーっていったの、誰なんだよ」
男の背中から湯気を上げる狂気はサナエの心だけでなく、六畳間の空気までもを揺らしていた。
ひゅうひゅうと喉の奥底から響くサナエの息遣いが聴こえてくる。
瞳から次々に涙が垂れ落ち、鼻水が流れ出ている。
舌に貫通したニードルのせいで開いたままの唇からは涎がだらだら垂れ、男とおなじくらいぼさぼさした量の多い艶のないくせ毛の髪を汚していた。
「なぁ・・・嫌なら、いますぐ別れようぜ。おまえが嫌なら、それしかないだろ?」
男のぼさぼさの髪が揺れた。
大雑把なつくりの関節が目立つ大きな手のひらがサナエの顎を強く掴む。
「嫌なら別れたっていいんだぜ?」
サナエのたるんだ頬に、男のかさついた若々しい華奢な指先が食い込んでいる。
サナエは痛みからか、恐怖からか、それとも、男に嫌われたくない一心からか。
細い目から涙を零しながら、大きく左右に首を振った。
その横顔はひどく悲しかった。
たくさんのニードルも、それらが突き刺さる乳首も、虚しさといっしょに揺れていた。
「おれのことが好きだから、付き合うかわりになにされてもいーっていったの、誰なんだよ」
男の背中から湯気を上げる狂気はサナエの心だけでなく、六畳間の空気までもを揺らしていた。
ひゅうひゅうと喉の奥底から響くサナエの息遣いが聴こえてくる。
瞳から次々に涙が垂れ落ち、鼻水が流れ出ている。
舌に貫通したニードルのせいで開いたままの唇からは涎がだらだら垂れ、男とおなじくらいぼさぼさした量の多い艶のないくせ毛の髪を汚していた。
「なぁ・・・嫌なら、いますぐ別れようぜ。おまえが嫌なら、それしかないだろ?」

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