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あたしに全部見せなさいっ!
第8章 愛の説教部屋

翌日。あたしは学校に行った。なかなか柚留に話しかけるタイミングがなくて、気付けば放課後になっていた。急いで帰り支度を終え、教室内を見渡す。
柚留の姿は見当たらない。机を見ると、まだ鞄がある。
「あれ?」
どこ行ったんだろう。
そういえば、柚留は図書委員。今日の昼休みに、放課後、図書委員は図書室に集まってくださいという放送があった。柚留も多分図書室に行ったんだ。
あたしは鞄を持って、駆け足で一階の図書室に向かった。
案の定、図書室のドアの数歩手前に柚留の姿を見つける。
「あ……」
パタパタと足音を立てて廊下を走っていたからか、あたしが呼びかける前に、柚留が振り向く。確かにあたしの姿を視界に捉えていたはずだ。
「ゆ……」
だけど名前を呼ぶ前に、柚留の視線はすぐにあたしからそれてしまった。そのまま図書室のドアを開けて、中へとはいっていく。ぴしゃりと閉められたドアの数歩前で、あたしは立ち尽くすしかなかった。

