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第18章 それぞれの想い

「ああ、次の土曜、ちょっとゴルフで出かけるから」
　ご飯を頬張りながら、努めて何気ない調子を装い、衛一が言う。
　もちろん、その日出かける理由は、ゴルフではなくデッサンだ。
「あなたがゴルフに行くなんて、久々だね。珍しい！」
「うん、まあね。最近、身体がなまってるだろ。俺も少しは運動しないとな」
　衛一は苦笑する。
　内心、バレないかとヒヤヒヤしていた衛一だった。
「気をつけていってきてね」
「ああ。ありがとう。せっかくの週末なのに、家を空けてごめんな」
「いえいえ、気にしないで。あなたにとっては、お付き合いも大事なんだし」
　どこまでも優しい茜の言葉に、衛一が感じる後ろめたさは尋常なものではなかった。
　それをごまかすため、「ありがとう」と言った後、衛一は茜の作った料理を無心で口に入れる。
　美味しそうに食べる衛一を見て、茜は嬉しそうな微笑みを浮かべていた。