この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ネムリヒメ.
第26章 夜明け.
─側にいてくれたのは聖くんと雅くんとだけじゃなかった
葵くんも、渚くんも…
側にいなくても柔らかい羽のような彼らの想いが、側にいるように何もないその場所にそっと降り積もっていく
だから会いたかった
そんなふたりの腕のなかにも帰りたいと思ったから…
たとえ…
その先になにが待っていても
扉の先が明かりのない暗闇だとしても…
今なら大丈夫
今のアタシはひとりじゃないから…
だけど…
土壇場にきて、部屋のなかへ踏み込む気持ちはあってもカラダが動かなかった
石みたいに固まってしまった足が、その扉の先を拒絶するかのように前に進まなくなってしまう
「……ちーちゃん」
それを見かねたのか、聖くんからあげられたか細い声にビクリとカラダが強ばった
「ゴメン…ね……」
手を握ったまま俯く聖くん…
…が、
「…ルームキー忘れた」
へ…!!?
「なっ…んでだよ!!」
「なんでって、誰がさんが望のコト起こすからでしょ!!そういうお前は持ってるワケ」
「こいつ抱えて飛び出したオレが持ってるわけねぇだろ!!」
え…と…
勃発する予期せぬこぜり合い
「はぁ…ホントお前ってツカエナイ」
「…んだと!!クソガキ」
本来なら感心できることじゃないけれど、お陰で強ばっていたカラダから一気に力が抜けていく

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


