この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
新月
第9章 違和感
ドクドクドクドク…。
チヨの心臓は、慌ただしく音を出し続ける。
(ど、どういうこと??)
チヨの頭の中はぐちゃぐちゃだ。
(さっき、旦那様は、誰か違う名前を呼んでいたわ。
…もしかして、違う方が美月様の部屋にいたの??)
いや
でも、
あの美しい声は、毎日聞いている、美月の声だ。
布団の中で、興奮していると、
———スゥ。
(っっ!!!!)
チヨの部屋の襖が開いた。
チヨはまたもや動けない。
「……チヨ……」
大きくはない、
しかし、小さくもない、呼び声に、
チヨはビクっと反応した。
美月は、チヨが起きているのに気づいているのか、いないのか、
動かず、廊下に佇んで、動かない。
———フゥ……。
美月の吐息が聞こえ、
スゥ
と、襖が閉められた。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


