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第5章 関係

「あー…今日はもう、このまま登校します」

「…そうですか」

伊丹は何故か微妙な表情を浮かべる。

「何か言いたいことがありそうですね」

「い、いえ別に…ただ、みんな驚くだろうなと思って」

「まさか！誰も私の顔なんか見ませんよ」

「だと良いんですが」

「…もしかして、それって独占欲ですか、自分だけが知っていたいっていう…？」

「そッ…そんなわけないです、何を言い出すんですか!!」

しかしプイッと背を向けてギクシャク歩き出す伊丹の耳が真っ赤なのを露葉は見逃さない。

「ふふふふ…」

自然に緩む口元を手で覆い、露葉は伊丹の後を追いかけた。