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eyes to me~ 私を見て
第41章 歌姫、舞踏会で歌う

「しょう君?」
「今日は楽しかったね……美名」
柔らかく微笑まれて、美名もつられて笑うが、キョロキョロと綾波を探す。
綾波はその頃、桃子に捕まり料理を詰めさせられていた。
「あ……あそこに居た」
姿を見て安堵の色を浮かべる美名を見て、翔大の心に強烈な苛立ちが沸き上がる。
気が付くと、美名の手を引っ張って強引に連れ出していた。
運悪く、二人が抜け出すのを誰も見ていない。
「い……痛い……」
強く掴まれた腕が痛み顔を歪ませる美名を、翔大は抱き上げてエレベーターの前まで行き、ボタンを押す。
美名は手足をばたつかせて叫ぶ。
「待って……しょう君……何処へ」
「ごめんね……美名」
翔大は優しく言うと、美名の鳩尾を殴り気を失わせた。
くったりした美名を抱え、頬にキスした時エレベーターが止まる。

