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eyes to me~ 私を見て
第64章 獣と獣の対決

「な……何なんですか……これは!私を張っていたんですか?」
綾波は、色を失ってわめく増本に、柔らかく笑いかけた。
「落ち着いてください……と言うか……つまり、この写真に映っているのは、ご自身だ、と認められる訳ですね?」
「――!」
増本は憔悴していた。
ーー心理戦が出来ない男だな、と綾波は思う。
会った時に感じたあの狂気は、気のせいだったのだろうか。
……いや、そんな訳はないだろう。見くびって気を抜いたら、噛みつかれるかも知れない。自棄を起こした人間が予測しない行動をするのは、身をもって知っている。
綾波は、色を失ってわめく増本に、柔らかく笑いかけた。
「落ち着いてください……と言うか……つまり、この写真に映っているのは、ご自身だ、と認められる訳ですね?」
「――!」
増本は憔悴していた。
ーー心理戦が出来ない男だな、と綾波は思う。
会った時に感じたあの狂気は、気のせいだったのだろうか。
……いや、そんな訳はないだろう。見くびって気を抜いたら、噛みつかれるかも知れない。自棄を起こした人間が予測しない行動をするのは、身をもって知っている。

